1×1から見えてくるお仕事のリアルレポート
お客様と直接コミュニケーションをとり、理想の住まいを具体的なカタチに落とし込んでいく設計の仕事。家づくりのキーパーソンは、どんな人とどんな関わりの中で仕事をしていくのでしょうか。
粕谷 佳乃子KANOKO KASUYA
丁寧にコミュニケーションを重ね、理想の住まいを描き出していく。
まずは家づくりへの想いやご要望をじっくりお聞きし、こちらからもさまざまな質問をして、隠れたニーズを探っていきます。そして、間取りや日当たり、ご家族の動線のことについてご説明しながら、目の前でプランを描いていくんです。
ぼんやりとしていたイメージが、その場で具体的な図として見えてくるので、みなさんとても喜んでくださいます。また図面だけだとわからないこともあるので、より具体的にイメージしていただけるように、過去に私が設計した家の写真をお見せしたり、その当時のお話をしたりしながら、理想とする住まいに図面を近づけていきます。
設計する時に私が意識しているのは「見せ場を作ること」。一つの空間の中に「ここが見どころ!」というポイントを作るんです。せっかくの注文住宅ですから、「私たちだけの家」という愛着を持っていただけたらと思ってご提案しているのですが、みなさんとても喜んでいただけます。
こういった喜ぶ顔を目の前で見られるのが、私にとっての一番のやりがいですね。お客様にとっては一生に一度のお買い物ですから、ご家族の将来を設計するような想いで取り組んでいます。責任も大きいですが、その分感動も大きいです。
より質の高い家を目指して、共に考え行動する。
図面が完成し、プランが決定するといよいよ着工です。ここからは主に工事監督の出番になりますが、設計が責任を持って工事監督にバトンを渡します。ただ図面を渡せばいいのではありません。図面を見るだけでは伝わらない部分がたくさんありますからね。
例えば、打ち合わせを重ねる中で変更した内容も、ここはもともとお客様はこんな想いを持っていたという風に、その結論に至った背景なども一緒に伝えます。想いを知ることで工事監督の家づくりへの意識も変わりますからね。
また、お客様と何回も打ち合わせをしているので原則変更はないのですが、現場で工事監督の視点で見たときに発生する微修正はあります。例えば、エアコンの高さや、コンセントの位置など。工事監督の空間把握能力は素晴らしく、現場で気づいて「ここはこうした方がいいと思う」と前向きな指摘が入ったりするんです。こちらはその内容を受けて図面を見直していく。そうすることで、より満足度の高い家ができていきます。
なので、いつでも気軽に相談ができるように普段からコミュニケーションを大切にしています。私たちは、家を設計することはできますが、工事監督がいないと家としてカタチになりません。もちろん工事監督だけでも家は作れませんし、営業の存在も欠かせません。だから、一緒に考え、動きながら、家づくりをしていく一つのチームというイメージですね。
様々な専門部署に支えられて、設計に集中できる環境がある。
一条工務店の設計は、お客様と直接コミュニケーションをとることが特徴です。ただ、お客様としっかりお話をする時間をとるためには、業務量の調整が不可欠です。そのために、一条ならではの様々な専門部署を設けています。
例えば、図面を描くためのCAD専門部署。設計が手書きで描いたラフをもとに、具体的なCAD図面に落とし込んでくれるんです。また積算という見積もり関係のプロフェッショナルな部署もあります。ここでは畳の色を変えたいとか、棚を追加したいという要望を描いて提出すると、そのオプションを追加すると価格がどれくらいかかるのかを具体的に計算してくれます。
さらに、間取りを検討する上で関係の深いところでは構造計算の部署もあります。一条の家は「耐震等級3」が必須なのですが、お客様から「できるだけ窓を多くとりたい、壁をなくしたい」といったご要望があった場合、それを実現することによって耐震等級を下げることがないかどうか、専門的に相談できる窓口があるのはとても心強いです。間取りばかりに気を取られて地震に弱い家が建ってしまっては元も子もないですからね。これらの様々な専門部署があることによって、設計がより多くの時間をお客様とのコミュニケーションに充てることができるんです。さまざまな本社スタッフに支えられているおかげで、一人で年間約30組のお客様を担当することができています。
一条には、効率よく、集中して、家の設計にとことん向き合うことができる環境が整っているので、たくさんの経験を積めますし、その分早く成長できます。そして何より、お客様の喜ぶ顔をたくさん見ることができるんですよ。
火曜 14:00~設計合同勉強会
過去に手掛けたものや現在打ち合わせ中の物件を各々持ち寄り、どんな外観がお客様に喜んでいただけるのか、「かっこいい」という評価をいただけるのか、外観の整え方についてディスカッションをしました。
理想の住まいづくりのためには間取りの提案も大事ですが、家の中だけでなく、外観も意識して設計するように心がけています。
勉強会を通して新たな発見があるので、自身のスキルアップのためにとても役立っています。
金曜 09:30~H様邸 敷地調査
「地積測量図」という土地の図面を見るだけでは見えてこないことがたくさんあります。「敷地調査」は、プランづくりのための重要な情報を得るための欠かせない調査です。
土曜 10:00~T様 打ち合わせ
クロス打ち合わせでは、過去に担当したお家の実例写真などを一緒に見ながら「T様のお家だとここをアクセントクロスにすると素敵ですね」「このスペースはこんなクロスはいかがでしょう」とご提案していきます。とっておきの見せ場をつくるために、全体の色のバランスなどを考えて空間をコーディネートする腕の見せ所です。
土曜 17:00~K様邸 2ヶ月目訪問
住まい心地や、やってよかったこと、逆に「もう少しこうしておけばよかったな」と感じることなどを伺います。間取りや設備もそうですが、スイッチの場所や照明の明るさ、コンセントの数や位置などの使い勝手も伺い、フィードバックいただきます。今後のプランづくりにも生きるご意見をいただく、貴重な時間ですね。
打ち合わせ時にこだわった場所のことや「ここは迷ってこうしましたよね」などと思い出話に花が咲くことも。特にご満足いただけている生の声を聞けた時はとてもやりがいを感じる瞬間です。